長尺の(わりに)第九十六話、一球外してintermezzoです。
いきなり不穏なタイトルです。(BmG、本編ではないintermezzoにはタイトルが付されてます)
災いをもたらす者=ドミ兄の親友だったあの方 でした。
わりに心の内の葛藤や後悔が良く描写されているためか、共感を得るようで、ssではそんなに嫌な奴に書かれることのない(ような気のする)ユーリー・プレシコフ。
実際嫌なヤツ…ではないのだと思う。
弱かったがためにその弱さにつけ込まれてしまい人生を大きく狂わされてしまった…感があります。
ユーリーをはめたストラーホフは、後年ユーリーが生きている事実を知ったために先手を打たれてミハイルに口を封じられてしまいました。。
因果応報・・・。
平和な時代だったらもしかしたらどこかでアルラウネへの想いにケリをつけて、終生ドミ兄の良い友人であり続ることが出来たのかもしれません。ユーリー。
でも時代が悪かった。。。
そして「ギャッベ」。
最近日本でもインテリアアイテムとして人気の高いギャッベ。
まぁ…ペルシャ絨毯の一種 と考えて頂ければ。
工芸品のような精緻なペルシャ絨毯とは違い、遊牧民の織る素朴な味わいが魅力であります。
厳密にはペルシャ(現イラン)の特定の民族の織る絨毯をギャッベと称するようなのですが、ざっくりとイラン付近の遊牧民族の織った素朴な織物…というくくりでお祖母様とアレクセイはそれを「ギャッベ」と呼んでいるものと思われます。
ギャッベと似たものに「キリム」というのがあります。
(こちらの方が馴染みがあるかも)
私の中ではトルコの遊牧民が織った敷物=キリム
イラン(ペルシャ)の遊牧民の織った敷物=ギャッベ
みたいな感じでザックリ区分されてますw
織り方も違ってギャッベはパイル状になっています。
キリムは100年以上さかのぼる高額なオールドキリムなるものもあり、インテリアアイテムとしてはギャッベよりも歴史があります。
動物性の繊維(ウール)で織られたキリムやギャッベ。
ネコちゃんがとても好むそうです。
ネコちゃんが好むのならば、ワンコだって・・・と思ってこのエピソードが生まれました。
そして動物の鋭い洞察力。。。
これも元になったエピソードがあって、この話とは逆のパターンなのですが、昔母の実家にいたポチ(犬)。
家の人間以外には誰にでもウーウー吠えるポチが、たった一人だけ他所の人で吠えなかった人間がいて、それが後に伯母の婿として家族となる伯父だった…という。
ポチには一目でわかったのでしょうねぇ。「この人は家族になるヒト」と。
余談ですが、私のイモートも赤ん坊の頃とても人見知りの激しい子で、伯母でも抱っこされるともれなくギャン泣きしていたのですが、私の幼稚園の行事や歯医者に連れていく…etcでやむなく母親が伯母にイモートの子守を頼むときだけは、なぜか絶対に泣かなかったそうです。
そうやって考えると赤子も動物と一緒ですな。。。
こんばんは
>災いをもたらす者=ドミ兄の親友だったあの方
タイトルを見たとき、とても不安に駆られました。。。
二次創作で読んだことがあるのはsakko様とあと一人だけですが、この方は本当にどこにでもいる普通の人に見えました。本質は善良な心優しい世間ずれしていない若者で、一人の女性を深く愛しすぎた為に、道の分岐点を間違えた。。。
レジリエンス…たとえ折れても、元に戻れるしなやかな心。回復力、再起力とか
強靭性とかいわれる可能性が彼にはあったように思えるのです。
批判覚悟で言えば、ダービィトによく似た気質の持ち主だった。ダービィトも初恋が叶わず破滅の道を選ぼうとしたが、彼には、クラウスら音楽の仲間や心を癒す時間がありました。それがダービィトを傍観者として見る思考の持ち主に昇華させたのかと思いました。よきサマリア人ですね。
それに対し、ユーリーはユダの烙印を捺された人間として書かれています。
もしもとか、言うのは愚かなことでしょうが、ドミートリィが親友として見込んだ男性です。彼にはドミートリィには劣るでしょうが人間的な魅力に溢れた好青年だったと思います。
ドミートリィは完璧すぎて、侯爵、美貌、音楽家としての天性の才能そして恋人と全てを兼ね備えています。しかし、友人のユーリーは対照的に泥臭い劣等感に苛まれる人間として描かれ、それが私の卑小さを投影させてくれます。
彼は改悛としてアレクセイを陰から支え続けるのです。哀しいですが、それも一つの人生。ユーリーはユーリーの人生を生きたといえるでしょう。。。
しかし、ミハイロフ家には、彼は確かに災いをもたらす者だったのでしょうね。
愛犬がその未来を予見し、忌み嫌ったのは、動物としての感でしょう。。。