泣いて泣いて涙を流しきって…そして前を向いて再び歩き出す。
原作のユリちゃんもひっそりとミモザの翌朝に涙を流し、恋の思い出を胸にしまい込んでまた日常の世界へと戻っていました。
あの時の彼女には選択肢がなかった。
否応にも現実が自分に襲い掛かって来て、キリリと前を向くしかなかった。
彼女は恋の傷も癒えぬまま独りで立っていた。
傷だらけになりながら・・・・。
今度の彼女も一人涙したけれど、今度は彼女を大切に思う沢山の人がいて見守り支えてくれている。
彼女もそんな大切な人たちのために、そして離れ離れになったけれど大切な人に恥じない生き方をするために、顔を上げて歩き出した。
一人だけれど独りじゃない。
恋の痛みはまだ胸に疼くけれど…彼女の人生はまだ始まったばかり。
レオ様が登場し、アレクはいなくなり、急展開のストーリーで驚きのあまり、コメントできない。
ユリちゃんが一夜にして大人の女性として花開いたのは、彼女のアイデンティティーが確立されたからでしょう。これまでのユリちゃんは精神的にひ弱でしたが、大階段でレオ様と対峙した彼女には矜持が溢れて、レオ様が思わず感嘆していました。「遠からん者は音にも聞け 近からん物は目にも見給へ」とアーレンスマイヤ家の令嬢として一淑女としての気概…自分に課せられた使命にしっかりと向き合う…様式美さながらの美しさがあり圧倒されました。これから彼女はどういう道を辿るのでしょう?
家の為に資産家へ嫁ぐ? ベートーヴェン『フィデリティ』さながらシベリア流刑になるであろうアレクを追う…これは精神的に成長したユリちゃんにはそぐわない行動ですね。無鉄砲さが無いとムリ。。。
ユリちゃん大好き人間の私は、ユリちゃんには幸せになってと願うが…このBmGをユリちゃんのビルドウィングスロマンとして読むならば、彼女はアレクとの恋は終わったものとして新しいステージに飛び込んでいくのでしょう。安寧を望むも激動の時代へと流転し、貴族階級は終焉を迎えていくことになるでしょうし。。レオ様がこれからはユリちゃんの羅針盤になっていくのでしょうか。続きが気になります。先ずはレオ様の恋心を語るところからかしら、うーん。。。予測不能な楽しみが増しますが。
こんばんわ!
急展開のストーリーにドキドキしながら一気に読ませて頂きましました。
このシリーズが始まった時から、2人の別れを予感しながら読んできましたが、本当に突然の別離で胸が切なくなりました。
ユリちゃんは自分の恋より恋人の命と使命を優先しました。それが正しい選択だったと分かっていても初恋の終わりは苦しく切ない…でも、原作の彼女もそうですが、ユリちゃんには一人で立ち上がり前を向いて歩いてゆく強さがありますよね。
そして今の彼女には原作とは違い支えて守ってくれる家族が居てくれてくれる。きっとこの別離を乗り越えていけるでしょう。
物語の前半はこれで終盤なのでしょうか?離れ離れになった2人の運命はこれから又交差して行くのでしょうか?
私も個人的にはユリちゃんには旧家の伝統を重んじる親の決めた結婚では無くて『眺めのいい部屋』のルーシーのように真の愛に生きて欲しいです。
でも、その為には沢山の困難と犠牲が伴うと思いますが…ユリちゃんには愛の無い結婚はそれが彼女の望みでもやっぱりして欲しくないです。
これから、まだまだ続くのですね!最後迄2人の人生をずっと見守って行きたいです。