あまりに突然の別れ。
さよならも、ちゃんとした別れも出来ぬまま別たれてしまった二人の運命。
一方味方側と思っていた人間の奇襲ですんでのところで指名手配犯を逃したレオニード。
屈辱の怒りに燃えた彼は―?
そして息子に薫陶を与えるように、食後の葉巻を愉しみながら自らの恋愛論、国家論をレオニードに語るアルフレート氏。
初期のレオ様って…人間的にやっぱり「鼻持ちならない」部分があったように思う。
優秀ではあるけれど、挫折を知らないがゆえに、エリート街道をど真ん中を進んできたがための視野の狭さというか。。。
幾分か齢が下とはいえ、この時点では人生の辛酸をなめて早いうちからこの世の中を裏から見て成長してきたアレクセイの方が人間が出来ているのは致し方なし…か。
原作でもレオニードが人間的魅力をどんどんと増してきたのは、ユリちゃんとの恋や敗北などを経験してから…でしたよね。。
アルフレート氏に語らせた《謀略は誠なり》というのは、戦中まで日本にあったインテリジェンス養成機関だった陸軍中野学校の理念であります。
敵を欺く諜報行為に従事するものだからこそ、その行動が何よりも誠に基づいたものでなければならない というもので。。。
人生の、またキャリアの先輩でもあるアルフレート氏の言葉に素直に耳を傾ける度量があれば、よいのですが。。。。
ユリちゃんを小娘と侮って手痛いしっぺ返しをお見舞いされたレオ様。
ユリちゃんはアレクセイの為ならば、自分の恋心を犠牲にする尊い愛があったのです。それを理解できなかったのは、レオ様が真摯に恋というものを分からなかったからではないでしょうか。。。
ユリちゃんの愛は見返りを求めないアガペーの愛、レオ様がこれから恋に落ちた時に、その心情を初めて知るのでしょう。
>「恋は…真摯な恋とそこから生まれる愛は…人を育てるものなのだ」ユリちゃんのパパの言葉が甦るでしょうから。
>《謀略は誠なり》
かの有名な陸軍中野学校の理念は初めて知りました。誠なくして国家機密に身を沈めることは、己の心を無に置き、聖きに保つことは難しいでしょう。素晴らしい理念