ユリちゃんの結婚生活のピリオド。
離婚篇オチのⅢをアップしております。
実はユリちゃんて、サンデュ氏に出会った時からプロポーズされた時も、初夜の晩も、そして子供を授かった時も…一度として彼を「愛している」とは言っていないんですよね。
「いつか愛せるようになるのかもしれない」とは言っているけれども、終始彼に抱いていた気持ちは「慕っている」だったり「好ましい」だったり「尊敬している」だったり。。。
最後まで愛にならなかった。。。
でもこれを…そんなユリちゃんを「不実」と言ってしまうのは…ちょっと酷かなぁとも思うのです。
少なくとも彼女は自分の出来る精一杯の誠意をもってこの家と夫に接してきた。
…と私は思うのです。。。。
そしてこのユリちゃんは、なかなかままならない人生を歩んでいながらも、ちゃんと要所要所自分の人生のことは自分できちんと決断を下しているんですよね。
きちんと自分の頭で考えて納得した上で、きちんと決断を下す。
アレクセイと別れる決断をした時も、遡って彼と恋人の関係に発展した時も、お父さんを許したときも、アネロッテを許したときも、縁談を受けた時も、プロポーズを受けた時も、そして離婚を決めたのも。。。
自分の心にとことん向き合い、自分の頭で考えてそして自分で答えを出す。大事なことは人に流されない。
優しさや包容力だけじゃない。そういう芯の強さが今後彼女の人生をどのように導いてゆくのでしょうか。。。。
こんばんは
離婚をユリちゃんが決意したのは、シャルロットが二人の子供を自分の手から離される、というのが
自分の生い立ちから見過ごすことができない優しさからでしょう。
自分の子供のリーザちゃんを父や祖母から離してしてしまう…ユリちゃんが、我慢すればリーザちゃんは今まで通りの父ギュスターヴ、お祖母さまと一緒に暮らし、幸せな家族の時を過ごすことができたかもしれません。
でもそれは、シャルロットの涙の犠牲によってこの幸せです。ユリちゃんは自分の幸福のために、夫の愛人である彼女にけして不幸せになってほしくはないのです。無論、修道院に追いやられた弱冠14歳の少女はかつての自分の姿のように感じて、心がどんなに傷んだことか。。。
かつて不要とされた少女ユリウスを否応でも思い出し、棄てられたレナーテ母のことも思い出したでしょう。シャルロットにギュスターヴと家庭を築いてほしい、これは偽善ではなく、ユリちゃんの心からの願いでしょう。繊細で優しいユリちゃんの本質は傷つきやすい少女のままなのですから。
>このユリちゃんは、なかなかままならない人生を歩んで
でも自分で決断し流されが自分という考えを持って今まで生きてきました。今回の離婚という女性として母として大変な決断も自分でしました。そんな大事な局面で重大で間違いのない決断を下すユリちゃんは冷徹な知性の持ち主かな。知性と情愛が一体となった誇り高き令夫人になったユリちゃんです。
>芯の強さが今後彼女の人生をどのように導いてゆくのでしょうか。。。。
先ずは離婚したことにより、素晴らしい再婚は 無理。仕事を持ちつつ、リーザを立派な令嬢として育て上げ。。。静かな日々を送りたいと思うかな。
ところで不謹慎ながら、優しさだけでなく、芯の強い彼女に過去の恋人がいつの日か逢いに来ると信じているのは私だけ? 時代が同じだけの別のヒストリーなのしら。
このBmGシリーズはアレクセイとユリちゃんの恋の成就が本筋だと思い込んでいて…だからこそ、結果論的にユリちゃんが独り身になるために離婚を選択する解決法になったのてはないか、と勝手に思う私はうがち過ぎなのでしょうか。無論アレクセイをどれほど待とうともユリちゃんの前に現れないのが、「オルフェイスの窓」の伝説の宿命とて正しいのかもしれませんが。。。